間が悪いなりに、生きていく

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【自己満】タクシーの運転手さんに一生忘れない言葉をかけていただいた話

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ご無沙汰しております。文系修士1年ということもあって、夏休みはサマーインターンに追われておりました。

そして、東京でのインターンは昨日で終わったため、今は京都に戻る車中でこの記事を書いています。

あ〜疲れた〜

今回、取り上げたいのは、他でもない、タクシーでございます。

 

金持ちしか乗れない交通手段、それがタクシー。大した距離でもないのにすぐタクシー乗ろうって言い出す友達は少し地雷だよね、そんな風に思っていたときもありました。

また、タクシーといえば古い産業の象徴。ドライバーのアイドルタイムも長いし、なんて非効率なのでしょう。生産性低過ぎ。早くUberに駆逐して欲しい…なんて過激なことすら思っておりました。

しかし、先日ついにタクシーにお世話にならざるを得ない状況が僕にもやってきたのです。その状況とタクシーに関して思ったことをハートフルエピソードに乗せてお送りします。

タクシーに乗るまで

 

インターンの懇親会で飲みすぎる

 

ちょーダサいですよね。タイトルにもあるように、インターン最終日の懇親会で僕は飲み過ぎてしまいました。

次から次へと一番搾りを出してくださるのでついつい調子にのってしまったんですよね。

 

そして話の内容も、僕が基礎しか学んでいないミクロ経済学行政学の知識を頼りに、「市場のフィードバックが働かない組織(公務員組織のようなもの)は腐敗するしかないでしょ…」と発言すると、

「それは、不確実性の経済学をもう少し勉強した方がいいかもしれない!」と返してくれるような非常にためになる内容。

話が楽しいとお酒がすすむ。すすむ。「予想通りに不合理」という本をすすめられたので、読んだ上で、先の仮説をもう一度検討してみようと思っています。

 

で、、!飲み過ぎて、かなりフラフラな状態で電車に乗り込みました。覚えておりません。この時点で23時半ごろ。結構遅くなっちゃったけど間に合いそうだな、助かった、と気を抜いてしまったのです。

 

気づけば終点、重なるミス

 

気づくと、僕は終点の駅、西船橋のホームのベンチに腰掛けていました。

終点の駅は僕の最寄駅から見ると2駅オーバーです。やばいやばい。降り損ねるとか人生で初めてだぞ…いつもは京都でのむので、電車でのミスってあんまりないんですよね。歩けるしチャリンコあるので。笑

ベンチに座っていると、優しい駅員さんが声をかけてくださいました。

「これが終電ですよ。乗ってくださいね。」

優しい。感謝感謝、と思いながら重い腰をあげて電車に乗り込みます。やっぱり、日本の人は優しいな、なんて思いながら。

しかし、

電車は想定とは逆の方へと動き始めたのです。ああ無情。より最寄駅から離れてしまったのでした。

 

人気のない駅、西船橋を目指す

 

次の駅に着くや否や飛び降りました。そして目に飛び込んできたのは、「本日の上り電車は終了しました」の文字。

「お、これが本当に終電を逃すということか…」

そして、この駅には土地勘がなく、駅を出るとすぐ住宅街というような駅だったので、先ほどの終点駅まで戻ることにしました。

酔っ払った状態で歩くこと1時間。グーグルに感謝ですよね。その分情報は抜かれてますけど…

人気のない住宅街怖過ぎて、国道を歩きました。

国道は眠らない。いたるところで工事やってました。世界は仕事でできているとはまさに。

 

ついにタクシーに

 

無事、西船橋まで歩きました。駅前のロータリーでタクシーを待ちます。ああ、次々にタクシーがやってくる。ありがたい。

タクシーに乗り込んだ時の安堵感は今でも思い出せます。家まで歩いたら流石に死んでしまうのではないかと思うほどの疲労感だったので。

タクシーに乗り込んで一息つくと、運転手さんが話しかけてくれたんです。

いつもはタクシーの中であまりしゃべるようなタイプではないのですが、酔っていたこともあって、求められた以上にしゃべってしまいます。

「はい、つい飲み過ぎてしまって…。まだ働いてもいないのにタクシー帰りなんて情けない…」

こんなことを言っても、

「よかったよかった。あの辺だとタクシーも通らないですし、西船橋まで歩いて正解でしたね。乗り過ごしたのも一駅でよかった。もう一駅いったら大変でしたよ。」

優しい。

そして話は進路の話に。

「どんな仕事がいいのか悩んでるんです。自分のやりたいこともわからなくて。」

「こうなってほしいと言われることはよくあるんですけど、それに反発するのも従順に受け入れるのも違う気がして。」

などなど、気づくと好き勝手悩みをぶちまけていました。面倒臭い客ですよね。

こうした僕の悩みに運転手さんは優しく相槌をうってくれました。

そして、しまいには

 

悩めばいいんですよ。悩めば悩むほどお釣りが返ってきますから。悩まないとなにも返ってきません。

 

と僕にアドバイスしてくれました。

この言葉を僕は一生忘れないと思います。

なんかありがたいんです、ありがたいんですけど、普通、上のような悩みを人に話すと、こうなってほしいという趣旨の、いわゆる正解を直球で教えてくれます。

悩みを話してるって時点でそういうことなんですけど。

ただ、本当に欲しかったのって現状の肯定だったのかな、と。メンヘラかよ…

 

ありがたく幸せな時間はあっという間に過ぎ、無事に僕の家に着きました。

気になる清算です。

額は2530円。やっぱり高いけど耐えたな…とか思いつつ、

3000円を出します。するとお釣りは470円のはず。

はず、でしたが、運転手さんは僕の手に500円を一枚置いたのです。

あれ?多いですよ?と怪訝な顔をする僕に、運転手さんは笑顔で

 

30円まけてあげる」と一言。

 

粋すぎる。かっこいい。かっこいい。

 

あと何年生きたらこんな大人になれるんですか…?

運転手さんは降りるときにもがんばってね、と励ましてくれたのでした。

 

タクシーのこれから

まず、Uberといった新しい仕組みの登場は喜ぶべきもの。

しかし、新しい仕組みの登場の裏には古いものの衰退も存在する。

そうした栄枯盛衰を、事象として得意げに語ることは簡単です。

あの業界は落ち目だから興味ないわ、古くない?そんなこと誰でもいえる。

 しかし、それを語るときには古い立場で現場で働いている人がいるということも考えないとダメなんです。

現場で働いている人の顔まで意識することが重要なんだろうな、と思った次第です。 

 

もっとも古い体質を持った仕組みが既得権益を守ることに固執して変化しないことを是と言っているわけではありません。

タクシーの例で言えば、Uberの仕組みの高生産性の部分をタクシーが取り入れればいい。商品は同じで顧客を開拓する。というか、より限定する、とか。

アプリとか現にやってますよね。乗合ビジネスと補うような形で生き残っていく形を模索するっていう。

それか僕がやっていただいたようにタクシー系カウンセリングを始めるとか。

顧客は同じで新商品を始める。人生相談って金になるな、と思いました。

目を合わさなくていい背中越しって悩みを打ち明けやすいな〜って気づいたのも発見だったな。

こうしたことをふまえて、また悩むことにします。

がんばるね、おっちゃん

また!